2.8のジャック

おっさんの独り言

30秒で地獄に落ちる人を見た…。

何年か前の年末の話ですが、年末と言う事もあり、飲み会も増え、最終電車も普段に比べたくさんの酔っ払いが乗る季節。自分もそのうちの一人でした。

その日は普段より飲み過ぎて、最終電車ギリギリでした。
それに乗るにはかなり走って、乗り換えないと間に合わないほど、駅と駅が離れており、階段も長いので、終電に乗りたい酔っ払い達が、最後の力を振り絞り、全力で走っていました。

電車にさえ乗れれば、苦しかろうが、汗かこうが、身なりが乱れようが、吐こうが関係ないと皆必死でした。

飲み代だけでも、たくさんお金を使っているのに、タクシー代なんて払おう日には…。
嫁にどんだけ怒られるか…。。

そして、必死に走ったおかげでなんとか、終電に間に合いました、最終電車というのに座る場所は空いてなかったので、ドアの手すりを持ちながら、呼吸を整えていました。

すると、最終電車のアナウンスがあり、ベルがなりました。
まだまだ、ギリギリなんとか最終電車に乗ろうと、必死で走るオジサン達。

一人のガリガリの50代位のサラリーマンが、階段から降りてきて、なんとか間に合いそうな感じで携帯片手に走って来ました。
多分、家になんとか終電で帰れると連絡でもしたのでしょう。
自分の乗ってる車両に、さぁ、乗ろうとした時、携帯が手から滑り落ち、ホームに転がりました。

それを拾おうとサラリーマンが屈んだ時に、胸のポケットから、定期入れのような物が、車両とホームの間にスルっと…。。あっ!と言う声の後に、最終電車に乗るか乗らないか葛藤があり、最終のベルも鳴り止み出発寸前。。

彼は全てを諦め、落胆した表情になり、最終電車のドアは閉まりました。

終電車が動き始めたとき、彼は最終電車に乗れなかった事、定期入れがまだ線路に落ちている事、電車で帰ると行ったのにタクシーで帰る事になり、妻に怒られる事など、そういう現実に一気に苛立った表情でくそっ!!!と、階段の壁を叩こうとしていました。

その時、彼と壁の間に立っていた人のお腹を思い切り殴っていました。。
多分、すいませんと謝っている感じでしたが、殴られた人は、明らかに終電なんか気にせず今から友達と朝まで飲むぜ!強い酒ガンガン飲んでも平気やと言わんばかりの巨漢に金髪、タトゥー入の兄ちゃんでした。。

胸ぐらを捕まれ、怒鳴られている光景は見えましたが、その後彼はどうなったのかは分かりません。。

たった30秒前までは、電車で帰れると妻に報告し、お酒の心地よい酔と共に自宅まで無事に帰れると思っていたのが、まさかこんなに連チャンで不幸が重なり合うとは。。

しばらくニュースを気にして見ていましたが、多分大事には至ってないと思います。