岸和田市民の祭り愛を痛烈に味わった体験談。。
20年近く前の話になります。まだ若くて夢を追っている時の話です。
当時は高校生の時に見た劇団の面白さに感激し、自分も劇団に入りたいと思い、芝居を学ぶ為に学校に入り勉強しました。
そこでは芝居を学ぶ生徒が50人程いて、年に3回ほど生徒の発表会みたいなのが、学校内や外部の施設で開催されます。大体2〜3グループに分かれて行うのですが、みんなでやりたい芝居を決めるのがひと苦労なんです。。
自分はこれがやりたいと個人でプレゼンし、最終的に先生が決定します。
大体やりたがるのが、ラブストーリーや、青春系、逆に物凄くシュールな演劇に意見が集まります。
自分がしたかったのは、お笑いに近いけど、泣く場面も要所要所であるような喜劇がしたくて、いつも少数派でやりたい演劇が出来ず卒業しました。
振り返ると少数派なのに、いつも同じ演劇をやりたがるAと言う子がいたので、二人で話すると、やりたい事がかなり似てると言うことで熱く話し合い自分たちで台本を書いて自分たちで劇団を作ろうじゃないか!!という結論になりました。。
今思えばなかなか、若さの勢いでしたが。
ただ、人数集まるまで二人で喜劇をするには…あ、コントなら出来るんじゃ?!と、そこから芸人としてコントをする事になり、色んなイベントやライブに出まくりました。
個々までが、岸和田市民の祭り愛を知るまでの経緯です。
それから、色んな縁があり、お金も必要なのでスナックなど回って面白かったらおひねりを貰う超出来高の仕事をし始めました。。お客さんは酔ってるので、なかなか稼げましたが。
その1つが岸和田でした。自分たちのコンビ入れて4組でスナックを4〜5件回る予定でした。
最初の一軒目で事件は置きました。
自分たちが一番若手と言う事もありトップバッターを任されました。
その日は、しばらく忙しかったのと、何回もスナック巡業もして慣れて来てたので、車で向かう途中に初めての岸和田市なので、祭りに関するネタを新しく考えようとスナックに向かう2時間程でネタを作りました。
今、思うとその安易な考えが後の事件につながりました…
お客さんは和やかにお酒を飲まれ、自分たちが来て、ネタをするのもお客さんはみんな知っていたのでとてもいい雰囲気でした。
スナックのカウンターの端にある、在庫を置く倉庫にみんな隠れて、カーテンから登場し一組ずつネタをするシステムでした。
それでは登場して貰いましょう! ○○です!
大きな拍手と共に、スナックのママの酒焼けでかすれた聞き取りにくい声で元気に登場!
はいど〜もー!。。。そこからの記憶は正直かなり恐怖のあまり薄れています。。
ネタの内容は、Aくんは祭りが好きという話をし、自分は祭りが嫌いと言うと、Aくんが祭りの良い所を教えてくれるのがトンチンカンな所を教えてくれるような話で、最終的には、祭りって楽しいよな〜って終わるようにしていましたが。。。
その時は訪れました。。
Aくん 僕祭りが大好きなんですよ〜。
自分 祭りな〜、祭りの面白さがわからんねん〜
最初の二人の一言ずつが終わったその時。。
目の前の物凄くイカツイ、スナックで薄暗いのにサングラスをして、真夏で相当暑い日でみんな半袖なのに一人だけ長袖を着てる男性がいきなり
おい!!ちょっと待て、そこのガキ!!
祭りが嫌い言うたなー。おのれらは祭りが嫌いやのに岸和田来たんかい!!!
俺らの前でそんなしょうもない事言うために来たんかぁー!!!おんどりゃあー!
その言葉の後に、顔面に飲みかけのブランデーかウイスキーか分からないが、かなりアルコールのきつい飲み物をかけられ、お腹に飲み終わったボトルを思いっきりぶつけられました。。
この見た目で、こんだけ飲んでたら、俺殺される?!。。
そう頭をよぎりました。。そこからは何て言われたかはわかりませんが大声で怒鳴られつづけ、水やお手拭きなど飛んでくる飛んでくる。。まるでお祭り騒ぎだな。と少し思いながらも笑うことも出来ず、無視してネタをやり続けました。
もちろん、全く誰も笑う事なく。。
そして、地獄の10分を終えて、戻ろうと静まり返ったカウンターの奥に戻ろうとしたら、控えていた3組がカーテンの隙間から、まるでブレーメンの音楽隊のように並んで顔をだしていました。
この世の終わりのような顔をみんなしていました。
顔は青ざめ、手は震え、これからこの中にネタをしに行くのかと。。。
まるで、燃え盛った炎の中に、水と間違えて油をかぶって突入するようなものだと。。
その後の事は、頭が真っ白で、他の3組がどんなネタをしたかは覚えてませんが、大炎上したことは間違いありません。。
その出来事で、岸和田市民の祭り愛の凄さと、慣れて怠慢になり、安易な行動に出た自分達の行動の情けなさを思い知りました。。
余談ですが、そのスナックを出たら、イカツイ男性があの空気でよく最後までやったなと、今までで一番の大金をくれました。
それはそれで怖かったけどw