2.8のジャック

おっさんの独り言

都会の怖いお仕事。。

若かりし頃の話ですが、色んな仕事を経験したいと言う事もあり、登録制のバイトをしていました。普通ではなかなか無い色んな仕事を経験できました。例えば、東京都庁で新しく出来る予定の高速道路が通る市や区の代表と国土交通省の話し合いの場で、手をあげた方にマイクを持っていくだけの仕事。選挙が行われるときに、各区等に配る投票箱を作ったり、反社会的勢力の方の夜逃げの手伝いなど、他にも100以上の職場を経験しました。

その中で都会はほんとに怖いなぁと思った仕事があります。

元々は、携帯のCMのエキストラで一般の方が50人位いると言われて参加しました。

当時は19歳でCMにも出れてお金貰えたら最高だなと友達と参加しました。

心斎橋の事務所に集まって、何組かのグループになって、本町と言う所にあるビルに行けと地図をもらい行きました。

エキストラ50人でビル?自分の中では外で撮影あると思っていたので少し疑問に思いましたが、そんなもんかなと気にせず目的地に行きました。
すると、物凄い怖そうな方が10人ほどいて、ビルの地下の会場に案内されました。
自分以外もみんななんかおかしいと思い始めたのか、キョロキョロしたり、硬い表情になり、会話も少しずつ無くなっていきました。

全員が地下の会場に入り、長机と椅子が用意されていて、そこに着席させられました。すると怖い中でも一番偉そうな方が前に出てきて、『今日はテレビのCMではありません。携帯のCMをここでしてもらいます』との事でした。

ん?どういう事とざわざわし始めたら、一斉にアンケートを取りますと一枚の紙が渡されました。

そこには携帯のどこの会社を使っていますかと言う事でした。
当時は携帯会社は4社あり、Aという会社のシェアが一番多く、B、C、Dと言う会社は同じ位で圧倒的A社の市場でした。
結論から言うと、A社の市場を取るためにB、C、Dの会社のCMをしてくれとの事でした。

先ずはアンケートで会社ごとに席替えで座らされ、A社の携帯を使ってる方は後ろに座らされされ、反社会的勢力の方が発言出来ないように取り囲む。

そして、僕らのする事を説明された後に、一般のお客さんが一般入ってこられました。A社のユーザーばかり集められたのだと思います。

全員会場に入ると、施錠され、出口は怖い人達が出れないように固める。そして、一番偉そうな方が前でA社の悪口デメリットを言い続ける。そして僕たちの仕事が…。。

『B社!!』『C社!!』『D社!!』と声を揃えて、大きな声で叫ぶ仕事です。
まるで、昔のナチスか、戦前の日本か、今の北朝鮮か…。。
そこはまるで独立国家のようになっていました。。もちろん後から来た人達も違和感と怖さでビクビクしていましたが、その状況が長く続くと、A社は悪者だと言うイメージになってきているのがわかりました。

そして、一通り儀式が終わった後に、会場から出る事が許されました。。最後に怖かったのが、A社以外の携帯会社の方は、自分も含め帰されましたが、A社の携帯を使っている方だけ、また違う部屋に案内されていました…。。多分A社以外の会社に契約するように勧めてたのだと思います。。あくまで推測ですが。

その後皆さんがどうなったかはわかりませんが、世の中には色んな仕事があって、雑誌の文章だけを鵜呑みにしたら駄目なんだと言う事を学びました。